出雲のこと、色々


◎神国出雲


出雲といえば、「日本神話」に伝えられている須佐之男命や大国主命が有名です。
須佐之男命が八岐大蛇を退治して櫛稲田姫を妻にした話、因幡の白兎を助けた大国主命が兄達の迫害を受けながらも須佐之男命に認められて、葦原中国の王となった話など、ロマンに溢れています。
出雲にはその神々が祀られている神社が沢山あります。
 *出雲大社……国譲りのあと、天照大神が隠遁した大国主命のために建てさせた壮大な社。
 縁結びの神社として有名で、「始終ご縁がありますように」という意味合いを込めこの神社のお賽銭は45円入れるのがいいとか。
 毎年、旧暦の10月11日〜17日に全国の神々が出雲大社に集まるので、出雲では旧暦10月を「神在月」、その他の地域では「神無月」という。
 拝殿・神楽殿にある大注連縄は一見の価値あり。
 (斐川郡大社町杵築)
 *八重垣神社……八岐大蛇を退治したあと、須佐之男命が櫛稲田姫を匿ったといわれている社。「八雲立つ出雲八重垣妻籠に八重垣つくるその八重垣を」の舞台。縁結びで名高い。
 本殿裏には櫛稲田姫が隠れた「佐久佐女の森」があり、そのなかにある鏡池は櫛稲田姫姿見の池で、恋占いができる。
 宝物館には須佐之男命や櫛稲田姫の板絵神像がある。
 (松江市佐草町)

 その他に神魂神社や熊野神社に須我神社、佐太神社・美保神社など有名な神社があります。
 あと、斐伊川周辺には須佐之男命の八岐大蛇退治にまつわる遺跡がいくつもあります。

◎古代出雲の文化


#青銅器文化


神話では神々が活き活きと描かれている出雲でしたが、その割には古代遺跡がなく、出雲神話は創作だといわれていた頃がありました。
しかし、昭和59年7月、神庭荒神谷遺跡から358本もの大量の銅剣が発見され、翌年には銅鐸6個・銅矛16本が出土しました。
このことにより、創作ではなく、実際に大きな権力を持つ部族が出雲に存在したことが証明されました。
さらに、平成8年、加茂岩倉遺跡から銅鐸が39個発見され、古代出雲に存在した部族は、青銅器を生産する優れた技術を持っていたことが明らかにされました。
*荒神谷史跡公園……銅剣出土地を史跡公園にしたもの。銅剣・銅鐸・銅矛が発見当時のままに復元されている。
 他に資料館「出雲の原郷館」や古代復元住居・古代農耕地や古代ハス池、キャンプ場がある。
 (斐川郡斐川町神庭)
*加茂岩倉ガイダンス……加茂岩倉遺跡に平成15年4月に出来た文化施設。
 建物から加茂岩倉遺跡が一望できたり、銅鐸のレプリカが展示されている。
 (大原郡加茂町岩倉)

#古代玉作り


松江より少し西に行った所にある玉造温泉は、古代には玉作りの盛んな場所でした。
温泉街の北東約キロのところにある花仙山はメノウの原産地で、麓には古代玉作遺跡があります。
*出雲玉作史跡公園……古墳時代から平安時代にかけての玉作りの遺跡公園。
 国指定「史跡出雲玉作跡」のひとつ宮垣地区。
 敷地内には「出雲玉作資料館」があり、遺跡から出土した勾玉や管玉の完成品や未完成品が展示されてある。
 他に竪穴式住居やちびっ子広場がある。
*玉作湯神社……温泉街の奥にある。「史跡出雲玉作跡」の宮ノ上地区にあたり、参道脇に古代出雲玉作跡がある。
 祭神は櫛明玉命。
 出土品は収蔵庫に納められている(事前に予約すれば見学可能)。
 (八束郡玉湯町)
 玉造温泉街の入り口に「いずもめのう細工伝承館」があって、製作過程が見学できるほか、めのうの勾玉やめのう製品を購入することができます。

#八雲立つ風土記の丘


 松江市の南東部にある古代出雲の史跡密集地帯で、数々の古墳や遺跡をまとめて見ることができます。
 また、この地域は「出雲国風土記」に出てくる神、八束水臣津野命の話「国引き」に出てくる「意宇」にあたり、八重垣神社や神魂神社、天平時代の出雲国庁跡はこの付近にあります。
*八雲立つ風土記の丘資料館……出雲地方で発掘された出土品を集めた資料館。
 重要分化材の鹿埴輪や額田部臣の銘文入り大刀、荒神谷遺跡や加茂岩倉遺跡の出土品、出雲国風土記の写本を収蔵。


◎城下町松江


 戦国時代末期、関ヶ原の合戦で戦功を立てた堀尾吉晴が月山富田城から島根郡法吉郷の亀田山に城を移し、松江城と名付けました。
 以降、松江は堀尾氏三代・京極一代・松平十代の国府として栄えました。
 とくに、松江藩七代目藩主・松平治郷(不昧公)は文化人として有名で、茶道・禅を極め、不昧流の始祖となります。一方、彼は政治面では倹約令と増税で財政改革を行い、財政面が潤うと、茶道具を蒐集します。
 松江には松江藩の時代の名残りとして松江城や武家屋敷、塩見縄手が残り、また、不昧公が愛した茶道は松江に根付いており、彼の食や菓子の嗜好は「不昧公お好み」として残っています。
*レイクライン……松江の観光名所を回遊する松江市営のバス。
 一回200円。一日乗車券500円


◎水の都・松江


 島根県東部の中心部には宍道湖があります。
 宍道湖は半鹹湖の中海と大橋川で繋がっていて、中海から流れてくる塩分によって汽水湖になっています。そのため、宍道湖からは「宍道湖七珍」をはじめ様々な水産物が取れます。
 また、松江には天神川や大橋川など河川が数本あり、松江城を取り囲む堀川を加えて「水の都」というイメージを旅行者に与えます。
 宍道湖の夕日は神秘的な光景です。
*堀川めぐり……堀川を屋形船で廻る遊覧船。
 松江堀川ふれあい広場や大手前広場、カラコロ広場から乗車できる。
 所要時間約50分。1200円
*宍道湖観光遊覧船……宍道湖を一周できる遊覧船。
 夕日の宍道湖を廻ることもできる。
 松江港に第1乗船場があり、第2乗船場は松江駅から約3分。
 所要時間約1時間。1200円。


◎出雲平野の築地松


 斐川町や出雲大社付近にある旧家は、松を数本築地のように高く生やして上部を切り揃えています。
 その景色はとても不思議で、見ている者を飽きさせません。
 以前、バスツアーで出雲大社に行ったときバスガイドさんが話していたことによれば、築地松の立派さがその家の家格を表しているそうです。
 あと、出雲地方では、家の敷き地の中にお墓があったりしてびっくりしました。

◎出雲阿国


 出雲阿国といえば、謎の多い人物で有名だと思います。
 戦国時代末期に現れた舞姫で、一説では出雲大社の巫女だった彼女は京都に上京し、四条河原で男装して舞ったといわれています。
 彼女の男装の舞は「かぶき踊り」といわれ、歌舞伎の原型だといいます。
 晩年は出雲に戻り、連歌を詠んで余生を送ったといわれています。
 出雲大社の近くにある奉納山公園には、出雲阿国の墓や連歌を詠んだ場所、歌舞伎役者達が奉納した
記念碑があります。

◎小泉八雲


 本名ラフカディオ・ハーン(1850年〜1904年)。
 ギリシャで生まれた彼は、明治時代に来日し初めに横浜に滞在しましたが、中学校英語教諭として松江に赴任し、旧松江藩士の娘・小泉セツと結婚し、帰化して小泉八雲と名乗りました。
 その後、熊本・神戸・東京に教師として移り住み、1904年、狭心症で亡くなります。
 彼が松江に滞在したのは一年三か月と短い期間でしたが、その間に見聞きした文化は「怪談」「知られぬ日本の面影」という著書を生み出しました。
 松江には小泉八雲旧居や資料館、「怪談」の舞台になった場所が残っています。

しまね観光ナビゲーションにとても詳しい情報が載っています。
そちらも参考にどうぞ。


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